4月1日はエイプリルフール。
この日は一般的には嘘をついてもいい日になっている。
あくまで害のないものだが。
望美はこの日将臣にどんな嘘をついて、驚かせてやろうと考えていたのだ。
前日からいろいろ用意し、将臣の驚く顔を想像してはニヤけていた。
「望美変な顔してないで、早く食べて学校行きなさい」
母親に促され、望美は急いで学校に行く用意をした。
家を出ると、将臣の家のインターフォンを鳴らす、将臣が出るのを今か今かと待ちわびる。
玄関が開けると中から、将臣が出てきた。
譲は今日は部活で朝早く出てしまい、今日は二人で登校なのだ。
「将臣くんおはよう」
「ああ、おはよう」
望美がニコッと挨拶すると、将臣もつられて笑う。
望美はさっそく計画を実行に移すことにした。
「そういえば聞いた?今日テストあるんだってよ!」
わざとらしく、おおげさに望美がいうと将臣は平然といつも通りでいる。
「ふぅ〜ん。望美は昨日勉強したのか」
将臣はニヤリと望美に聞いてくる。
「も、もちろん!」
「へぇ〜。じゃあ、今日実は日本史の抜き打ちテストもあるらしいけどそれもか?」
「え!」
日本史のテストのことは望美は知らない。
ただでさえ苦手な日本史だ。
彼女の顔はどんどん青ざめていく。
将臣はそんな望美の顔を見て吹き出した。
「悪い悪い嘘だよ。今日エイプリルフールだろ」
将臣は腹を抱えて爆笑する。
「騙したわね!」
馬鹿にされたと思い望美は顔を真っ赤にし、将臣を殴ろうとしたがかわされてしまった。
「初めにだまそうとしたのはお前だろ」
将臣がニヤリと笑うと、望美はさらに腹を立てた。
絶対騙してやるんだから!
それからというもの、望美は将臣を騙そうとした。
それも実にくだらないことではあるが。
しかしそれも将臣にひらりとかわされた、とうとう放課後になってしまった。
望美は放課後も将臣を騙そうと、一緒に帰りその機会を窺っていた。
二人はいつも通りに会話し、帰り道を歩いていた。
「将臣くん寝癖ついてるよ」
望美が騙そうとする。実際には将臣は寝癖はついていない。
「そうか・・。後、望美言おうと思ったけど・・」
将臣がちらっと望美を見る。
望美は何事と思い将臣を見る。
「パンツ見えてるぞ・・」
「え、嘘!」
望美は急いでスカートを見る。
しかし、スカートに異常はない。
将臣はそんな望美の様子に耐え切れなくなりまた爆笑した。
「また騙したわね!」
望美は羞恥心のあまり将臣をぽかぽかと殴る。
「いてっ。痛いって!」
「最低。将臣くんのスケベ!一瞬お嫁に行けなくなると思ったじゃない」
望美は顔を真っ赤にしていうと、将臣は望美の攻撃を止めるため腕を掴んだ。
「悪かったよ。もし嫁なら俺が貰ってやるよ!」
「えっ」
望美の動きが止まった。
それと同時に望美の顔は益々赤くなった。
「それってエイプリルフールだから?」
彼の顔を見ると彼hがニヤリと笑っている。
「さあな、ただ・・」
望美の腕を解放すると将臣は耳元で囁いた。
「エイプリールフールは正午までらしいぜ」
望美は急いで将臣から離れた。
そんな様子を将臣はまた、笑い先に歩きだした。
「ちょ、待ってよ将臣くん」
そんなこと聞いたら期待しちゃうじゃない!
終わり
後書
エイプリールフールネタです。
調べていたら嘘をついていいのは正午までっていう説があったんで今回それを入れてみました。
ではでは。