White day

 

※この話はバレンタイン・デーに祝福をに微妙に繋がっています。

 

「今度のホワイトデー、お前どうすんの?休みじゃん」

将臣は放課後帰ろうと準備していると、悪友の祐介が話しかけてきた。

「望美とデート」

「やっぱりかよ」

「まぁな」

将臣はニヤッと笑うと、祐介は相変わらずのバカップルぶりに苦笑した。

将臣がこちらの世界に帰って来てからのバカップルぶりは、クラスでは当たり前のようになっていたのだ。

「バレンタインのお返し贈るんだろ?んで何贈んの?下着?」

祐介がニヤニヤと笑いながら聞く。将臣は呆れつつ違う違うと手を振った。

「お前は・・。それぶっちゃけ引くやつ多いだろ・・(少し考えたが・・)」

「じゃあ何贈るんだよ?」

「ああ実は・・」

 

1週間前。

将臣はホワイトデーについては散々迷っていた。部屋の中で寝転びながら、考えていた。

 

お菓子類は今まで返していたしな・・。

 

せっかく恋人同士になったのだから、恋人らしい贈りものをと考えていたのだ。

しかもバレンタインの時に3倍返しを望美に要求されている(これはいつものことだ)

試しにインターネットを見て見る。

「ホワイトデーのお返しランキングね・・」

そこには定番のお菓子などが載っていた。

 そのページをどんどんスクロールしていくと、アクセサリーという所で目が止まった。

 

アクセサリーか・・

 

将臣は今年はそれがいいかもと思い、家を出て買い物に向かった。

 

店に着くと、将臣はガラスケースをじ〜と見て回った。

ホワイトデーの時期であったため、多くのアクセサリーが展示されていた。

青い石のついた星のネックレスや、イニシャルのついた指輪などあったが、いまいち将臣にピンとくるものが無かった。

「何かお探しですか」

「ええ、まぁ・・」

「ホワイトデーのお返しですか?」

「はい。恋人に・・」

店員がそうですかとにこやかに言うと、こちらはいかがですかと展示ケースの中の指輪やネックレスをいくつか説明しながら指さし聞いてきた。

それでも満足するものがなかなかなく、困っていると店員が手に持ったあるものに目が止まる。

 

・・似てるな

 

赤い石のついた指輪。それはどこか昔望美にあげた指輪に似ていた。

「これいくらですか?」

将臣はその指輪が気に入り、綺麗にラッピングしてもらい店を出た。

 

 

「指輪ね〜。いいんじゃないの?それに他の男避けにもなるし」

祐介がニヤニヤとからかうような顔を将臣に向ける。

将臣はうるせーと珍しく、照れくさそうである。

「まぁ、がんばんなさいって」

「言われなくてもわかってるっつーの」

 

 

そしてホワイトデー当日、今日は望美とのデート。

プレゼントを持ち、将臣は望美の家に向かおうとしたがその前に望美が将臣の家に来た。

玄関に向かうと譲が先に出ていた。譲は部活に行く前だったらしく、制服姿だった。

「おはよう。将臣くん、譲くん」

「おはようございます先輩。これバレンタインのお返しです。父さんからのも」

どうやら昨日作っていたクッキーと父からのプレゼントを渡していたようだ。

「ありがとう譲くん」

「どういたしまして。じゃあ、これから俺は部活なんでそろそろ行きますね」

「うん。部活がんばってね」

譲は兄をちらっと見ると、出て行った。その瞳はまだ望美を諦めていないというように見えた。

「ほら俺たちも行くぞ」

将臣はそういうと望美の手を引いて歩き出した。

 

 

 

望美と将臣たちはまず、ショッピングモールに出かけていた。

望美が服が見たいというので、女性ものの服が売っている店に向かい1時間ぐらいそこで見ていたのだ。

その次はペットショップに向かい、犬や猫などを見て触れ合ったり、昼食を食べたりしていた。

夕方になり、望美が海に行きたいというので、海に向かった。

「う〜ん気持ちいい」

夕方になり、夕日が反射して綺麗だった。望美はその場に座り風景を楽しんでいるようだった。

「望美、手貸せ」

望美はわけがわからず手を出すと、将臣は隣に座り望美の手にプレゼントを置いた。

「バレンタインのお返し」

「わぁ〜ありがとう。中開けていい?」

「ああ」

将臣が優しく微笑みながら言うと望美はラッピングをされた袋を開け、中の箱を開けた。

「あ、これ・・」

望美は中の指輪を見て、驚いた。

「似てるだろ。昔やった指輪に」

「うん・・」

箱の中から取り出し、指につけた。

しばらくまじまじと見た後、望美は将臣に抱きついた。将臣は突然の出来事だったため、望美に押し倒される形になってしまった。

「将臣くん大好き」

将臣は頭を優しく撫でた。

「俺もだ・・」

二人の鼓動が重なり、将臣が望美にキスをした時はもう辺りは暗くなり始めていた。

 

 

 

おまけ

「随分うれしそうね」

望美が家に帰ると母がにこにことした顔で聞いてきた。

「いいことでもあったの?」

望美の指につけている指輪を見て、望美の母は聞いた。

「まぁ、ね」

望美は照れながらそそくさと自分の部屋に行ってしまった。

「あの子たち、結婚早いかもね・・」

望美の母は望美の部屋の方を見ながらほほほと微笑んだ。

 

 

 

終わり

 

 

後書

ホワイトデーなのでこのネタです。あ、祐介は今回話の進行上でてきたオリジナルキャラです。

ホワイトデーとかバレンタインとかプレゼントに何を贈るか迷いますよね。

 

 

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