12月25日。今日はクリスマス。おまけに雪が降りホワイトクリスマスである。
この日、望美は将臣と一緒に過ごすことになっていた。
前日は例年通り、有川家と春日家でクリスマスパーティーを開いていたので翌日に二人でクリスマスを過ごすことになったのだ。
望美と将臣が付き合い始めて、1年目が経ってからのクリスマスということで望美は張り切っていた。
将臣に渡すクリスマスプレゼントは何がいいか迷った。将臣はものにあまり執着を見せないからである。
聞いたら聞いたで、何でもいいとかもしくはお前とか言いそうなので聞かないことにした。
だが、ちょうど店で将臣に似合いそうなセーターを見つけ今年はそれをプレゼントすることにした。
望美が将臣に渡すプレゼントを持ち、家を出ようとすると将臣はすでに傘をさして家の前に立っていた。
「遅いぞ」
「遅くない。まだ5分も前」
はいはいというと将臣は望美の手を握った。
「あったけ〜」
「・・・コーヒーぐらいなら奢ってあげるけど」
「サンキュー」
望美は将臣と手を繋いだまま歩きだした。
「そういえばこれからどこに行くの?」
「ホテル」
「え〜」
望美は驚きのあまり声をあげる。
「お前なんかやらしいこと考えてね〜か。食事にもホテルは使うだろ」
「あっ」
「お望みなら別に泊まってもいいけどな」
よくよく考えればそうである。将臣は面白そうににやにやと笑っている。
望美は見るなと地面に落ちている雪を雪玉にして投げつけた。
「いてっ」
「将臣くんのば〜か」
望美はくるりと前を向きなおすと、不意に後ろから抱きしめられた。
「将臣くん!」
「おかえし」
そういうと将臣は望美に軽くキスをした。
「!」
「甘いんだよ」
望美はなんとも言えない表情をして、将臣の胸に飛び込んだ。その反動で将臣は倒れる。
「将臣くんの馬鹿・・」
「はいはい」
「将臣くんの意地悪」
「はいはい。そろそろ寒いし立つぞ」
将臣は望美を支えながら立ち上がった。よく見れば望美の顔を恥ずかしいのか寒いのか真っ赤だ。
そんな望美の表情をみて将臣はクスリと笑った。
「ほらっ。そろそろ行くぞ。お腹空いてるだろ」
「・・うん」
将臣はまた望美の手を握った。
「望美。メリークリスマス・・」
「うん。メリークリスマス」
恋人たちの聖夜は甘い時間が流れた。
終わり
後書
はいクリスマスですね。なんか私が書く将臣と望美は喧嘩しているシーンが多いきがするのは気のせい;